下肢(股・膝・足)
体外衝撃波
体外衝撃波治療ってどんなもの?
体外衝撃波治療は、足底腱膜炎、アキレス腱炎、ジャンパー膝、などの腱付着部の慢性的な疼痛障害に対する新しい非侵襲、非外科的治療法です。非連続性の圧力波である衝撃波を皮膚の上(体外)から患部に照射します。医療分野では、衝撃波を体外から当てて尿路結石を砕く治療が有名ですが、整形外科分野では、厚労省が2008年に難治性足底腱膜炎の治療機器として承認し使用されるようになりました。整形外科ではまだ新しい治療法ですが、欧米では約10年前からスポーツ選手を中心に、有効で安全な治療として使用されています。 |
体外衝撃波治療の特徴
- 低侵襲で安全かつ有効な治療
- 外来治療が可能
- 除痛し、短期間で回復
- 副作用がほとんど無い
- 治療時間は約30分程度 (時間は前後いたします)
- 患者は座位または診察台に横たわる姿勢で治療が行えるため負担が少ない
- 治療後に特別な治療は基本的に不要
- 麻酔が不要(局所麻酔は例外)
- 傷跡が残らない
個人差があり、数日で痛みが無くなる場合、数ヶ月で痛みがとれてくる場合、無効の場合があります。また、徐痛には数回の照射を要することがあります。
※原則として、20歳未満の治療はいたしません。
なぜ痛みがなくなるの?
痛みを軽減させる理由(除痛機序)については、衝撃波の照射により痛みを感じとると考えられている自由神経終末という部分を変性させたり、痛みを伝える物質を減少させたり、組織再生因子の増加や血管の再生を促進させたりすることなどや、あるいはこれらが複合的に働いているのではないかと考えられています。
誰でも体外衝撃波治療は受けられるの?
最も良い適応は、難治性の足底腱膜炎です。踵(かかと)に痛みを伴う病気としてもっとも頻度の多いもので、朝起きてすぐの歩き出しの際にかかとの周囲などが痛むが、歩いてしばらくすると少し和らいでくるのが特徴です。長時間の立ち仕事、よく歩き回る人や、アスリートの場合、足底に負担のかかる長距離ランナーや、サッカー・ラグビーなどスパイクを履く競技の選手に多くみられます。足底腱膜炎やその他の腱付着部炎などの多くは、安静やストレッチ、湿布、装具、注射などで治療されますが、これらの保存治療の効果が十分に得られない場合に、体外衝撃波治療は有効な治療のひとつとして期待できます。 |
治療の流れ(例)
レベル | 衝撃派エネルギー結束密度(ED+) | 衝撃波数 | 照射速度 |
1 | 0.03mJ/mm2 | 50(±10) | 60発/分 |
2 | 0.06mJ/mm2 | 50(±10) | 90発/分 |
3 | 0.08mJ/mm2 | 50(±10) | 120発/分 |
4 | 0.15mJ/mm2 | 50(±10) | 150発/分 |
5 | 0.21mJ/mm2 | 50(±10) | 180発/分 |
6 | 0.29mJ/mm2 | 50(±10) | 210発/分 |
7 | 0.36mJ/mm2 | 3500(±10) | 240発/分 |
- 仰臥位・腹臥位・座位のリラックスした体位をとる。
- 超音波診断装置で患部を描出する。
- 超音波診断装置で焦点の位置合わせを行います。
- 治療を開始します。
- 治療中は超音波診断装置での焦点合わせ及び痛みの中心部を実際フィードバックしてもらい常に照射位置を特定します。
- 約30分程度で治療は終了します。
体外衝撃波の治療日について
治療は、原則として予約制となっています。担当医(笠原、後藤)の診療日に受診していただき、別日程で予約をさせていただきます。