新札幌整形外科病院

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部位から見つける病名と治療法

膝に関する病名と治療法

半月板・軟骨損傷
主な症状
膝関節には内側と外側に2つの半月板(はんげつばん)があり、「荷重の伝達分散」、「関節安定性の寄与」、「潤滑の補助」などの役割をしています。膝の半月板損傷は、スポーツなどの怪我(けが)によくみられますが、高齢者ではささいな怪我でも損傷することがあります。半月板の損傷形態はさまざまで、縦断裂、横断裂、水平断裂などがあり、断裂した半月板が関節に挟まるといわゆる「ロッキング」という現象が生じ、膝の曲げ伸ばしが急にできなくなることもあります。膝の曲げ伸ばしの痛みや、伸ばす時に引っかかる感じが現れます。
治療法
半月板は周辺部の10-25%までしか血行がありませんので、それ以外の部位の損傷は保存治療で治癒しないため、多くの場合、手術が必要となります。また半月板損傷によるロッキング症状や膝伸展制限がある場合、あるいは靭帯損傷を合併する場合は半月板切除あるいは縫合術などの手術が必要となります。
変形性膝関節症
主な症状
中高年の膝の痛みの原因として最も多い病気です。軟骨の変性や摩耗により、軟骨が徐々に消失する病気で、痛みが出たり、膝の曲げ伸ばしが困難になります。男性より女性に多くみられます。重症化すると、体重がかかることで強く痛み、歩くことも困難になります。初期の変形性関節症や軽度の軟骨損傷はレントゲンだけでは診断が難しいため、早期発見のためにMRIなどの画像診断装置が利用されています。
治療法
初期の変形性膝関節症では、減量・重量物を持たない、無理な姿勢(正座など)は避けるなどの関節に過度の負担をかけないこと、筋力強化やストレッチなどの適度な運動で症状が良くなることがあります。痛みが改善しない場合は、最初の治療として、足底板やサポーターなどの装具療法、薬や注射(ヒアルロン酸)などの薬物療法を行います。なかなか痛みが取れない場合や病気が進行(軟骨の消失)している場合には、高位脛骨骨切り術や人工膝関節置換術などの手術による治療も検討します。
膝前十字靭帯損傷
主な症状
膝前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament)は膝関節の安定性のために非常に重要な靭帯であり、これが失われると膝くずれなどの不安感("膝が抜ける"、"膝がはずれるような"など)により、日常生活やスポーツに支障をきたします。スポーツ活動中にケガすることが多く、急な方向転換やジャンプの着地時に膝を強く捻ってしまった場合に発症することが多くみられ、「ブチッ」というような音が聞こえることもあります。靭帯が切れると関節内に徐々に血がたまり、膝全体が腫れて強い痛みを伴うようになります。症状として「膝が抜ける感じ」「膝に力が入らない」「膝が伸びない」などがあります。
治療法
新鮮前十字靭帯損傷は一部を除き、ギプス固定では治癒しないこと、さらに放置した場合、二次的に半月板損傷や関節軟骨の変性・損傷をきたす可能性があり、それ以上の年数で変形性関節症変化の合併率が高くなることから、日常生活においても不安感を生じる方やスポーツ選手などの活動性の高い方に靭帯再建術が薦められます。
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